国立西洋美術館リニューアルオープン記念 |
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フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで |
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In Dialogue with Nature |
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国立西洋美術館リニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の協力を得て、自然と人の対話から生まれた近代の芸術の展開をたどる展覧会を開催します。 |
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会期: 2022 6/4 [土]~ 9/11 [日] 展覧会は終了しました。 |
'2022 6_3 国立西洋美術館リニューアルオープン記念 「自然と人のダイアローグ」 展のプレス内覧会の館内風景の取材と、図録・資料などからの抜粋文章です。 |
国立西洋美術館リニューアルオープン記念 「自然と人のダイアローグ」展 |
【展覧会の見どころ】 ― 「自然と人のダイアローグ」図録、プレスリリースなどからの抜粋文章です ― |
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フォルクヴァング美術館と国立西洋美術館は、同時代を生きたカール・エルンスト・オストハウスと松方幸次郎の個人コレクションをもとにそれぞれ設立された美術館です。 |
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展覧会はフォルクヴァング美術館と国立西洋美術館の所蔵品を軸にロマン主義から 20 世紀絵画までの作品で構成し、自然に対する感性と芸術表現の展開を見るものである。 |
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「作品を中心に展示構成されテキスト・作品それぞれが対話をするような作品展示になっている」 |
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「自然と人のダイアローグ」 展の展覧会、全 4 章の構成。 |
'2022 6_3 国立西洋美術館リニューアルオープン記念 「自然と人のダイアローグ」 展のプレス内覧会の館内風景の取材と、図録・資料などからの抜粋文章です。 |
Ⅰ 空を流れる時間 Skier Across Time |
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・No.1 ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898) 《 トルーヴィルの浜 》 1867年 油彩、カンヴァス 63 x 89 cm 国立西洋美術館、東京 |
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・No.1 《トルーヴィルの浜》 ウジェーヌ・ブーダンは、早くから戸外で制作していた風景画家の一人で、印象派の先駆ともされる。 船乗りを父としてノルマンディーの港町に生まれ、早くから海や気象に親しむ。 画材や文具の店を営んでいたが、ミレーらの勧めで画業へ進む、パリで風景画家イザベイに学ぶ。 1850 年代末頃には、若きモネに自然への開眼をさせたクールベにも影響を与える。 |
Ⅱ 〈彼方〉への旅 Journey to the Other |
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・No.31 カール・グスタフ・カールス(1789-1869) 《高き山々(カスパー・ダーヴィト・フリードリヒにもとづく模写)》 1824 年 油彩、カンヴァス 136 x 171 cm フォルクヴァング美術館、エッセン |
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・No.31 カール・グスタフ・カールス は、ドイツのロマン主義時代の医師にして科学者、そして画家。 1816 年にはドレスデンの造形芸術アカデミーで自らの風景画を展示。 それからまもなく、生涯にわたる友人となるカスパー・ダーヴィト・フリードリヒと出逢う。 ゲーテはカールスの科学的な知に関心を示したばかりでなく、画家としての彼の仕事にも注目した。 ドイツ・ロマン主義の風景画を、目に見えるだけではない背後にある生きた自然が表現されなければならないと説いた。 |
Ⅲ 光の建築 The Architecture of Light |
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・No.60 ポール・セザンヌ(1839-1906) 《ベルヴュの館と鳩小屋》 1890-1892 年頃 油彩、カンヴァス 65 x 81.2 cm フォルクヴァング美術館、エッセン |
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・No.60 ポール・セザンヌ は、ポスト印象派を代表する画家。 姉妹夫妻の荘園を描いた 《ベルヴュの館と鳩小屋》 は未完成ともされるが、南仏の夏を乾いた空気や草の匂いが絵画空間に立ち昇る生成の瞬間を見ることができる。 色面を布置する筆触そのものが空間を立ち上げていくセザンヌの手法は、自然を前にして画家が覚えた鮮烈な身体感覚を画面に再生させるためのものである。 |
Ⅳ 天と地のあいだ、循環する時間 Cycles of Time Between Heaven and Earth |
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・No.77 ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875) 《春(ダフニスとクロエ)》 1865 年 油彩、カンヴァス 235.5 x 134.5 cm 国立西洋美術館、東京「松方コレクション」 |
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・No.77 ジャン=フランソワ・ミレー は、クールベとともにフランスのレアリスムの代表的画家に数えられる。 1840 年代末にバルビゾン村の周辺で戸外制作をしていたルソーらと交流、のちにバルビゾン派と呼ばれる。 本作品 《春》 は、コルマールの銀行のパリの邸宅の装飾パネルであった 〈四季〉 連作(1865 年完成) の一部で、古代ギリシァの恋愛物語を題材とし、牧歌的な風景のなかで幼い愛の芽生えと重ねて 「春」 を表されている。 |
自然は感情、感覚、想像力に衝撃を与え、現実と表象に分かれる。 |
'2022 6_3 国立西洋美術館リニューアルオープン記念 「自然と人のダイアローグ」 展のプレス内覧会の館内風景の取材と、図録・資料などからの抜粋文章です。 |
・No.33 ギュスターヴ・クールベ(1819-1877) 《 波 》 1870年 油彩、カンヴァス 45 x 59 cm フォルクヴァング美術館、エッセン |
・No.34 ギュスターヴ・クールベ(1819-1877) 《 波 》 11870年頃 油彩、カンヴァス 72.5 x 92.5 cm 国立西洋美術館、東京 |
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ギュスターヴ・クールベは、19 世紀フランスのレアリスムを代表する画家。 1855 年のパリ万国博では自称 「レアリスム館」 と名づけたパヴィリオンを建てて、 サロンに落選した 《画家のアトリエ》 などを展示。 特にしばしば訪れたノルマンディー地方のエトルタにおいて、さまざまな様相を見せる海景に写実主義を超えた新たな表現の可能性を見出した。 |
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カール・エルンスト・オストハウス(1921 年以前の撮影) |
松方 幸次郎 |
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カール・エルンスト・オストハウスとフォルクヴァング美術館 |
松方 幸次郎と国立西洋美術館 |
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ドイツの西北部の工業都市ハーゲンに生まれたカール・エルンスト・オストハウス (ハーゲン 1874-メラーノ 1921 年) は実業家の祖父から莫大な遺産を受け継いでコレクションを築き、1902
年、工業都市にこそ美術館が必要であるという理念の下、フォルクヴァング美術館を故郷に設立しました。 美術館お名称は北欧神話の美と豊穣の女神フレイヤの
「人々の広間」 に由来します。 アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデのデザインによる流麗なアール・ヌーヴォー様式の内装が施されたフォルクヴァング美術館には、自然科学的資料やアジア・アフリカの諸芸術からフランス・ドイツの近代美術にいたるコレクションが展示されました。
ゴッホやゴーガンをはじめとするモダンアートをドイツで最初期に収蔵した美術館としても知られます。 |
神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)を率いた松方幸次郎(鹿児島 1866 (慶応元年)-鎌倉 1850 年) 第一次世界大戦を背景とする船舶特需によって事業を拡大しつつ、日本で待ち望まれていた美術館を作るべき、3,000 点を超える西洋の美術品を
1910 年代後半から 1920 年代後半にかけてロンドンやパリで買い集めました。 さらにフランスから約 8,000 点の浮世絵コレクションも買い戻しました。 |
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ペーター・ゴルシュリューター フォルクヴァング美術館 館長 (図録・「フォルクヴァング美術館の歴史からの抜粋文」) |
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ドイツ・ルール地方の中心地、エッセン市にあるフォルクヴァング美術館は、1922 年の設立以来、国際的名声をもつ美術・デザイン・工芸のコレクションとともに来館者を迎えています。 100 周年を迎えた今日、当館では、900 点を超える絵画と彫刻、12,000 点の紙作品、65,000 点を超える写真、約 350.000 展のポスター、さらに選りすぐりの美術工芸品や考古学、非西洋の品々も所蔵しています。 1902 年に最初の設置場所であるハーゲン市に開館した頃に所蔵していた作品数については推測するほかありませんが、展示風景写真や当時の資料からは、 すでにピエール=オーギュスト・ルノワール、フィンセント・ファン・ゴッホ、点描派の画家たちの傑作を誇らしげに展示していたことがわかります(cat.nos.63,84)。 フォルクヴァング美術館の創設者カール・エルンスト・オストハウス(1874-1921) にとって、そして美術館において、この 「近代絵画の創始者たち」 は、 自然標本や古美術から、東アジア―特に日本―の諸芸術を経て、同時代絵画・彫刻にいたるまで、創造性の進化を示すように並ぶ展示室の頂点に位置づけられていました。 また、作品はすべて、先進的なベルギー人デザイナー、アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ(1863-1957) が手がけた 「アール・ヌーヴォー」 様式の内装の中に展示されていました。… |
お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
参考資料:「自然と人のダイアローグ」図録・ 報道資料、チラシ など。 |
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